今からちょうど100年前、海外旅行が大変珍しかった大正時代、半泥子と長男壮太郎は、約5ヶ月をかけて北半球を一周する船旅に出かけました。その旅での見聞は、その後の2人の人生に大きな影響を与えました。本展では、半泥子の紀行文やスケッチ帖、欧米で購入したマティスやボナールの絵画や土産ものなどから、1世紀前に日本人が見た欧米を、半泥子の眼を通して紹介します。
半泥子は数ある趣味の中でも、陶芸と俳句で多くの作品をのこしています。陶芸は誰にも師事しなかった一方、俳句は桑名の梶島一藻から厳しく指導を受け、数多の句を詠みました。作陶と俳句には、「全く無心のうちに造ったものでないと自然のヨサが現れない」という共通点があると、半泥子は記しています。本展では、無心の境地から生まれた半泥子芸術の世界をご堪能いただきます。
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