戦後間もなく半泥子が開いた廣永陶苑のインフラ整備に尽力した大森素坡(本名幸一郎氏・中部電力勤務)と、半泥子から廣永窯の未来を託された愛弟子の坪島圡平。その2人が半泥子本人から譲り受けた作品群が、令和5年(2023)、それぞれのご遺族より相次いで石水博物館へ寄贈されました。
本展では、質量ともに充実した名品揃いの二大コレクションをお披露目し、半泥子のそばで廣永陶苑を草創期から支えた2人と半泥子との、窯場での交流を紹介します。
900年以上、古典として尊ばれてきた『源氏物語』。物語の情景はいつの世も「美」と仰がれ、たびたび絵画として表現されてきました。また、『源氏物語』をもとに、現在まで様々な作品が編まれています。
本展では、鎌倉時代の古写本をはじめ、博物館施設では初公開となる王朝へのあこがれが詰まった「源氏物語銀地屏風」(中部大学蔵)、「源氏絵」と呼ばれる浮世絵など、時代ごとにうつりゆく永遠の古典『源氏物語』の世界をお楽しみいただきます。
洛東遺芳館は、京の豪商・柏原家(柏屋)伝来のコレクションを展示する館として、昭和49年(1974)、京都問屋町に開館しました。柏原家と川喜田家とは幕末に縁戚関係を結び、以来交流を深めました。
本展では、洛東遺芳館が所蔵する数多の名品の中から、円山・四条派の優品をはじめ、優美な婚礼調度などを展示します。今日まで脈々と受け継がれる京商人の美意識を感じていただければ幸いです。
文政3年(1820)、第10代津藩主の藤堂高兌は藩校・有造館を創設しました。有造館に迎えられた優れた学者の活動により、幕末になると津藩は学問が盛んな「文藩」として、天下にその名を響かせました。
本展では、有造館最大の事業となった中国の史書『資治通鑑』の出版や、齋藤拙堂をはじめとする学者の活動、その学問の精華に、齋藤正和コレクション(館蔵)など津に伝わる貴重な資料から迫ります。
当館は、半泥子が昭和5年(1930)に設立した「財団法人石水会館」を母体に、昭和50年(1975)に登録博物館としての活動を開始しました。以来、伊勢商人川喜田家の旧蔵品を中心に、地域に根差した展覧会を開催してきました。令和7年(2025)には博物館として50年の節目を迎えます。
それを記念する本展では、多岐にわたる分野の川喜田家歴代コレクションから名品をご覧いただきます。
〒514-0821 三重県津市垂水3032番地18