今からちょうど100年前、海外旅行が大変珍しかった大正時代、半泥子と長男壮太郎は、約5ヶ月をかけて北半球を一周する船旅に出かけました。その旅での見聞は、その後の2人の人生に大きな影響を与えました。本展では、半泥子の紀行文やスケッチ帖、欧米で購入したマティスやボナールの絵画や土産ものなどから、1世紀前に日本人が見た欧米を、半泥子の眼を通して紹介します。
半泥子は数ある趣味の中でも、陶芸と俳句で多くの作品をのこしています。陶芸は誰にも師事しなかった一方、俳句は桑名の梶島一藻から厳しく指導を受け、数多の句を詠みました。作陶と俳句には、「全く無心のうちに造ったものでないと自然のヨサが現れない」という共通点があると、半泥子は記しています。本展では、無心の境地から生まれた半泥子芸術の世界をご堪能いただきます。
結城神社は、南北朝時代の武将である結城宗広を祀る神社で、文政7年(1824)、津藩によって津市藤方の地に創建されました。近代に結城氏一族から奉献を受けた社宝の中には、後醍醐天皇綸旨など、日本史上極めて重要な歴史資料が含まれています。本展では、創建200年を記念し、これらの史料を展観するとともに、初公開となる刀剣など、津が誇る結城神社の至宝を展示します。
〒514-0821 三重県津市垂水3032番地18